ヘルメットのあご紐の重要性
バイクのヘルメットはあご紐を締めないと簡単に脱げてしまいます!
バイクのライダーにとって、ヘルメットは絶対に装着しなければならないものである一方、ちょっとうっとおしく感じることもあるものです。
とくに夏場にヘルメットをかぶっていると、蒸し暑くて耐え難い思いをすることもしばしば。
しかし、ヘルメットは必ず装着するのはもちろん、頭部への安全が確保される形で装着することが大前提です。
それというのも、バイクのヘルメットはあご紐をしっかり締めておかないと簡単に脱げてしまうからです。
例えば何か衝突したときには、その衝撃でいとも簡単に脱げてしまうことがあります。
衝撃から頭部を守るために装着しているはずなのに、肝心なときに脱げてしまって役に立たない、なんてことに陥るわけです。
完全に脱げなくても、顔の一部が露出しているような中途半端な状態になったうえで二次衝突、あるいは転倒などで怪我をしてしまうリスクも出てきます。
一般的にヘルメットの安全性と言えば、「どのタイプが安全か?」の視点で語られます。
半キャップのヘルメットよりもフルフェイスのヘルメットの方が安全性が高い、いざ衝突したときにしっかり頭部を保護してくれる…などです。
また、顔をすっぽりと覆うフルフェイスタイプならあご紐をつけなくても大丈夫、と思う方も多いようです。
ただでさえフルフェイスタイプは夏場は暑苦しいですから、あご紐をつけずに装着してしまいがちです。
しかし実験によると、半キャップタイプであろうとフルフェイスタイプであろうと、あご紐をつけていない状態で衝突すると簡単に脱げてしまうことが明らかになっています。
この実験動画が第50回モーターサイクルショーで紹介されて、ちょっとした話題にもなりました。
ヘルメットのタイプや形状は安全性に影響するけれども、それ以上にあご紐をきちんと締めているかどうかが事故時に安全性の確保には重要になってくる、ということを意味しているわけです。
じつは死亡事故の30パーセントはヘルメットが脱落した状態だった
バイクによる死亡事故の約30パーセントは、ヘルメットが脱落した状態で起こっている、とのデータもあります。
言い方を変えれば、「ヘルメットがしっかり装着されていれば防げた可能性がある」ということです。
そうなるとますますあご紐をしっかり締める重要性が明らかになりますし、逆にどんなに高価で安全性の高さをアピールしているヘルメットを装着していたとしても、ヘルメットが簡単に脱げてしまうような状態では、期待するほどの安全性は期待できないということになります。
ヘルメットをしっかり装着していなくてもバイクを運転することができますし、そのことを伝える警告装置などもありません。
結局は、「本人がしっかり意識してあご紐を結び、しっかり装着する」ことが求められます。
ライダーの常識として踏まえておく必要があるのでしょう。