ここまで進化した!最新エアバッグ
ダイネーゼのエアバックシステム「D-Air」の特徴と魅力
ダイネーゼのエアバック「D-Air」について、どのようなところが特徴的なのか、またその魅力といわれるのか、バイクに乗られている方は興味をお持ちだと思うのですが、第一の特徴として、起爆速度の速さが挙げられます。
D-Airはガスで起爆するのではなく火薬によって起爆するという方式を利用しています。
この起爆に関しての動作ですが、起爆からインフレーション、更にセットアップ完了というこの行程が一瞬に近い状態で行われるという特徴を持っているのです。
起爆する動きを感知すると起爆するための信号が送られますが、このトリガータイム(起爆して信号を送るまでの時間)が0.015秒という速さなのです。
膨らみ始めてからセットアップが終わるまでのタイムも0.030秒という異様な速さを誇っています。
通常国内で利用されているガス式エアバックのタイムは0.25秒から0.5秒ということなので、この数字を見ても、D-Airがどれだけ速いのか想像がつくと思います。
なぜD-Airは起爆からセットアップまでの時間がこれほど速いのか
なぜこれほどまでに速さを追求しているのかというと、通常重大な接触による襲撃は最短0.08秒という速さで瞬時に起こるのです。
ということは、トリガータイムとセットアップ完了までのタイムが0.08秒以内でなくければ、重大な衝撃を予防することが出来ません。
D-Airの場合、バイク側に取り付けられている専用端末ジャケット側にD-Airシステムがあり、ワイヤレスによってペアリングを行います。
バイクのハンブに組み込まれているセンサーだけでライダーの動きを感知していてそれにより判断し起爆するという仕組みです。
通常のエアバックシステムのように、ワイヤーでつながれていてそれが外れたときに起爆するというシステムではないのです。
もしもバイクと一緒に転倒しワイヤーが外れなかったら?エアバックシステムは作動しません。
衝撃吸収能力の高さ、これも大きな魅力です
衝撃吸収能力について、ダイネーゼは独自に定めた厳しい基準を持っています。
この独自の基準と比較し、D-Airは85%という衝撃カット能力を持っているのです。
もちろんどんな衝撃でも耐えられるということはありませんが、このレベルに達しているということがD-Airのすごいところです。
データを見るとCE規格EN1621-1/97を満たすために必要なレベルを余裕でクリアし、更に独自の基準についても高い衝撃カット能力を持っているということが理解できます。
事故の動きを瞬時に判断するシステム
D-Airはストリートユースとレースユースという2種類のエアバックがあります。
ストリートユースの場合、何かにバイクが衝突した場合、フロントタイヤがぶつかったことで停止、その瞬間に加速度センサーが判断し、D-Airに起爆信号が送られるという仕組みです。
横からの衝撃、スリップなどの予兆をバイク、ライダーの両方から瞬時に追跡することで最高のスピードでエアバックを作動させることが出来ます。
レースユースの場合、ストリートユースと異なっていて、車両とのペアリングが必要なく、スーツにハンブに組み込まれているセンサーが感知し起爆させるというシステムです。
レザースーツ首もとのボタンを締めることでスイッチが自動的に入り、右袖についているインジケーターが点滅、バッテリー状態、起動の状態を確認できます。
インジケーターが正常起動するとGPSと連携されライダーの位置情報を把握し、更に走行速度までも把握してくれます。
走行速度が50kmを超えることでD-Airが起爆するようにインプットされており、50km以下という場合には転倒しても危険性が少ないため、起爆しないようになっています。
ライダーの動き、角度、速度を検地し、転倒すると判断される動きによって起爆するという優れものです。
バンク角度、アクセルをどの程度開けたのか、などをデータとして残してくれるということも、このD-Airの素晴らしい点です。