高速道路に設置されている謎のオブジェの正体とは
時々見かける鯉のぼりのような形のオブジェ、あれは何?
高速道路でバイクを走らせていると、ときどき気になるものを見かけることがあります。
ポールに鯉のぼりのような吹き流しが取り付けられているオブジェです。
何度も見たことがあるけどあれがなんなのか知らない、あるいは見た覚えはあるけど意識したことはなかった、という方も多いのではないでしょうか。
高速道路の道路脇に立てられ、長距離のツーリングをしていれば移動中何度も見かけることがあるこのオブジェ。
単なる飾りにしてはあまり見栄えがするものではありませんが、一体何のために設置されているのでしょうか?
風の強さを知らせるための装置
じつはあのオブジェは、道路上の風の強さをライダー&ドライバーに知らせるためのものなのです。
鯉のぼりと見た目が似ているのも納得で、原理は一緒で風が強ければ強いほど吹き流しが水平近くにまで持ち上がって風になびく形になります。
高速道路は高い位置に設置されているうえに、風を遮るものがありません。
そのため風の影響を受けやすく、とくにライダーの安全運転に大きく関わってきます。
そこでこのオブジェをところどころに設置することで、「今はこれぐらいの風が吹いているよ」と伝える機会が設けられているのです。
ですから、周囲に風を遮るものがなく、風を受けやすい場所に設置されており、ライダー&ドライバーの視界に入りやすいのです。
このオブジェでは一般的に、「風速10メートルを超えると吹き流しが水平になってなびく」のを前提にしています。
斜めの状態でなびいている場合は風速3~5メートル程度ですから、なびいているくらいならそれほど注意は必要ありませんが、水平になびくようなら風に要注意となります。
横風の危険性
このオブジェはその仕組みからも、横風の強さを伝えるのがおもな目的です。
横風の方が、ライダー&ドライバーに安全にもたらす影響が大きいからです。
その安全性を脅かす基準が風速10km以上とされており、この強さだと車のドライバーでさえ風にあおられる感覚を受けると言われています。
風を直接受けるバイクのライダーともなると、より強く影響を受けることになり、転倒などの事故のリスクが高くなります。
ですから、このオブジェが水平になびいているのを見たらスピードの出しすぎには注意する、そしてハンドルをしっかり握って車体の安定を図ることが大前提となります。
横風にあおられて車線から外れてしまった、なんてことにならないよう注意したいところです。
また横風が強いと、ゴミが飛んできて視界を遮ったり、ぶつかってきて危険をもたらす可能性も出てきます。
それらから身を守るためにも、ヘルメットのバイザーを下ろすなどの対策も必要になるのでしょう。
これまでこのオブジェを意識する機会がなかった方、あるいはこれまで高速道路をバイクで走行することがなかった方は、改めてちょっと意識してみてはいかがでしょうか。